ボルダリングで怪我をしないために気をつけている「5つ」のこと。

怪我の予防について

ボルダリングはダイナミックな動きをする事も多く、怪我が絶えません。擦り傷や打撲等の軽度な怪我から骨折や靭帯の損傷等重度な怪我まで、いつでも起こり得てしまうのがボルダリングです。

怪我後の対処については多くの情報がありますが予防という観点になると、途端に情報量が少なくなります。そこで、約1年間週2〜3日の頻度で通いながら幸い大きな怪我なく済んだ自分が意識していたことを5つ紹介します。

注意点として、ここに書かれている内容はボルダリングの目標を「趣味として長く楽しむ」に置いています。目標が「コンペで上位入賞」等、選手として上位を目指す場合は当てはまらない事もあります。

1、登る前にストレッチをする

やったこと

  • 登る前に10分間ストレッチ。
  • アップとして易しい課題をゆっくり5個登る。

ポイント

  • 回数や時間、やる内容を具体的に決める。

ストレッチなんて今更言われなくても既にやってるよ!という方も多いと思います。しかしここで重要なのが、時間または回数といったように具体的に測定が可能な指標をきちんと決める事です。

単純にストレッチとアップをする、と意識しているだけでは日によってストレッチの時間、アップの量がまちまちになってしまいがちです。時間がある時は十分な時間をとれますが、時間がない時や今すぐに登りたい時には、3分程度で軽くストレッチをして、1~2個易しい課題を登ってアップを終わらせてしまうことがあります。

そのため、アップの内容にばらつきが出ないように最低限これなら大丈夫だろう、と自分が思う具体的な時間や回数、メニューを決めてそれを毎回こなすようにしています。

2、無理に次の一手を出さない

やったこと

  • 無理せず次の一手が出せるようになるまで練習する。
  • 自分の成長がホールド替えまでに追いつかない場合はすっぱり忘れる。

ポイント

  • 頭の中でやばい!と危険信号が鳴ったら大人しく諦める。

無理なランジをしたり、疲弊しきったギリギリの状態で次の一手をえいや!っと出すと成功する時もありますが、体の力が抜けて落下してしまう事もあります。失敗した場合、落下する時に体勢が整っていない場合が多く、例えマットがあったとしても落ち方が悪いと怪我をしてしまいます。

無理して次の一手を出さなければいけない場合は一旦その課題を諦め、無理をせずに次の一手が出るようになるまで練習します。自分の成長が間に合わず、先に課題がなくなってしまう場合は、潔くその課題は忘れてダメだったポイントだけ覚えて次の課題として、筋トレや練習をします。

どうしても悔しい!と思うこともありますが、一旦冷静になり今の自分のレベルより一つ上だから、まだ手を出すべきではないと言い聞かせ無理をしないようにしています。

3、調子に乗らない

やったこと

  • 調子に乗って無理な動きをしない。(特にランジ等のジャンプ系)
  • 友人を煽らない。

ポイント

  • 自分のペースで登る。

特に友人とセッションをしている時に注意が必要です。ついつい楽しくなって、無茶な動きをしたりふざけて登ってしまう事があります。すると、普段とは違う動きをする事になり体が付いてこず、怪我をするリスクが高まります。

また、自分と実力差がある人と登る時も注意が必要です。2〜3グレード上の場合、筋力や体重の関係から同じ動きをしても再現出来ない事が多いです。無理して合わせようとせずに自分のペースで登る事が大切です。

これは自分が上級者に該当する場合も注意が必要で、自分が出来るからといって相手も出来るとは限りません。そのため、簡単だよ!やってみなよ!といったように煽るのは程々にしましょう。

4、クライムダウンをする

やったこと

  • クライムダウンをする。
  • 高い地点から飛び降りる場合は着地時に後ろに転がる。

ポイント

  • クライムダウンを習慣化する。
  • オブザベーションの時に降りる時のホールドも確認しておく。

怪我の原因として、着地の失敗は非常に多いです。いくらマットがあるとはいえ、高さ35mから飛び降り続けたらいつかは怪我をしてしまいます。

とはいえ、一々クライムダウンをするのは面倒で自分も初めた当初は全くクライムダウンをしていませんでした。しかし、飛び降りた時に足をくじいてしまった事をきっかけに、意識してやるようになりました。

最近はオブザベーションの時に、ゴールまでのルートだけでなくクライムダウンの時に使うホールドも確認するようにしています。周りにホールドが無い時は、着地時に後ろに転がると衝撃を緩和する事ができるので、高い地点から飛び降りざるを得ない時は受け身をとっています。「帰るまでが遠足」と一緒で、「降りるまでがクライミング」です。

5、しっかり休む

やったこと

  • 怪我をしているときは無理に登らない。
  • 痛めてしまったら、様子を見て切り上げる。

ポイント

  • 月パスを購入すると、早めに切り上げるのに抵抗がなくなる。

軽度の怪我ならば良いですが、少し動かすだけでも痛いような場合は大人しくレストする事をオススメします。どこか一箇所を痛めた状態で我慢出来ずに登っていると、その箇所をカバーしながら登る事になり普段の力が発揮できません。その結果、怪我のリスクが更に高まります。

1週間我慢が出来ずに無理をして怪我をし、1ヶ月以上登れなくなってしまうなんて事もありがちです。怪我が重なると、クライミングのモチベーションも下がってしまいます。趣味として「長く楽しむ事」を目的としている場合、長期的視野に立ってじっと我慢することも時には必要です。

月パスを購入しておくと、登り始めてすぐに違和感を感じたり、痛めてしまった時にも抵抗なく切り上げる事が出来るようになりました。購入前は、一回あたりの滞在時間が長く違和感を感じても勿体無くて登り続けていました。月パスを購入した事で短時間で回数多く通うスタイルになり、違和感を感じた時にはさっぱりと諦めて帰る事が出来るようになりました。

自分のペースで登ろう

結論として、当たり前ですが無理をするとそのうち怪我をします。趣味として「長く楽しむ」ためには自分のペースで楽しく登りましょう。